- 2010-06-18 (Fri) 15:51
- 山の料理
山の料理 第2回【梅と梅酒作り】
今回ご紹介するのは、日之影町見立地区の梅と、梅酒づくりです。梅酒づくりは、高千穂町の酒造会社、高千穂酒造株式会社の工場を見学させていただきました。
日之影町は、とてもを山深い町です。森林面積は、277.68k㎡で、町土の約92%が森林です。今回、お邪魔した見立地区戸の口は、見立川を遡り、さらに山側へ上ったところにあります。
「分け入っても分け入っても青い山」種田山頭火の句が思わず浮かんでくるような、山深い集落です。
梅を栽培しているのは、見立梅部会(11戸)の皆さんです。高千穂酒造㈱では、平成10年より、見立梅部会の青梅を原材料とした梅酒製造を行っています。本格麦焼酎の原酒と日之影産(高千穂地方)の梅と糖類のみでつくった贅沢な梅酒です。梅本来の酸味と甘みが美味しいと、評判です。
【青梅の収穫】
梅の木は、収穫しやすいように、横へと這わせます。
梅雨の晴れ間に、爽快感のあるグリーン。六月の風を感じます。
実に傷がつかないように、一つ一つ手作業で収穫します。
収穫時期は、5月下旬から、6月下旬まで。「休みの日に息子が帰ってきて、手伝いました」。
手首を“くるっ”と回せば、へたが取れます。それが、コツですね。
「うまそうでしょ!」高千穂酒造の梅酒は、これぐらい熟れていた方がいいですよ。
坂本一馬さん(66歳) 坂本ケイ子さん(61歳)
梅の栽培を始めて、30年近くが経ちました。今年は、全国的には不作といわれていますが、ここはなぜか大豊作。花の散ったあとに、雪が2、3cm積もったから、今年は駄目じゃろな~と、思っちょったけど、昨年の倍、3,000~4,000kg収穫することができました。
二月上旬から、三月下旬の受粉期にニホンミツバチが働きます。そんな寒い時期に飛び回ってくれるのは、この蜂だけ。これが、一番の豊作の道です。
収穫された梅実。
かるいにも、いっぱいです。
各家庭で、選別作業をします。傷や痛んでいるものを除き、へたが残っているものはへたを取り、大、中、小のサイズで選別します。
選別作業に勤しむお母さんたちと、高千穂酒造㈱飯干工場長(写真、右)。
山口雅司さん(60歳)さん (写真、左)
見立梅部会は、下組、仲組、上組の11戸の農家で構成されています。梅の収穫は、5月下旬から、6月下旬まで。梅の品種は、鶯宿、玉英、南高、白河賀、古城などです。栽培地が、標高差2百メートルほど違うところもありますから、当然、品種や収穫時期が変わってきます。
見立の梅は、実が引締まっていて、甘味があります。昼と夜の寒暖の差があり、山と山の間に、見立川の霧が立ち込める環境が、生育に良いのでしょう。ちなみに、ここで収穫された椎茸も、農林水産大臣賞をとっています。
青梅は、農協や、生協に出荷しています。梅干も800kgつけて、企業を通して販売しています。これもなかなか、評判が良いですよ。
収穫された梅実は、10kgずつ、袋に入れます。
高千穂地区農業協同組合の職員が、集めて周ります。
見晴らしもよく、天気も良いので、気持ちが良いです。
農協の軽トラが連なり、賑やかです。
【梅酒づくり】
高千穂酒造株式会社。左奥に見えるのが、工場です。
前日に収穫された青梅が、農協より配送されます。
みずみずしく、美味しそう。
甘い香り、そのままとって食べたい。熟れた実を混ぜることで、梅酒の香りが際立ちます。
梅実の洗浄作業。流水で丁寧に洗浄します。ほとんどないそうですが、傷んでいるやつがあれば除き、へたも取ります。
洗浄は2工程。さらに、丹念に洗っていきます。
梅実浸漬タンク。一日3トン。合計で、15トンの梅実を漬けます。
タンクの上部から、梅実をいれます。
麦焼酎「わかむぎ」の原酒に浸ります。梅の甘い香りと焼酎の香りで、気分が良くなります。
最後に、氷砂糖をいれて作業は完了。実と実の間を、氷砂糖が溶けていきます。
出来上がりは、今年の10月頃。従業員の皆さん、美味しい笑顔、ありがとうございます!
高千穂酒造株式会社 ホームページ
http://www.takachihosyuzo.co.jp/
【おまけ・青梅とお酢のサワードリンク】
梅実をおすそ分けしていただきましたので、お酢でつくるサワードリンクをつくりました。(ミツカン酢についていた、作り方を参考にします)
(材料 約16杯分)
梅実 200グラム
氷砂糖 400グラム
食酢 400グラム
(作り方)
① 密封できる広口ビンに、上記の材料をいれ、蓋をして、涼しい場所に置きます。
② 一日に一回、蓋をしたまま、軽く混ぜます。
③ 三週間程度、同じ作業を繰り返します。
④ そして完成。水または炭酸水で、約5倍に薄めていただきます。
梅パワーで、夏を乗り切ります!
(レポート 藤木哲朗)
今回ご紹介するのは、日之影町見立地区の梅と、梅酒づくりです。梅酒づくりは、高千穂町の酒造会社、高千穂酒造株式会社の工場を見学させていただきました。
日之影町は、とてもを山深い町です。森林面積は、277.68k㎡で、町土の約92%が森林です。今回、お邪魔した見立地区戸の口は、見立川を遡り、さらに山側へ上ったところにあります。
「分け入っても分け入っても青い山」種田山頭火の句が思わず浮かんでくるような、山深い集落です。
梅を栽培しているのは、見立梅部会(11戸)の皆さんです。高千穂酒造㈱では、平成10年より、見立梅部会の青梅を原材料とした梅酒製造を行っています。本格麦焼酎の原酒と日之影産(高千穂地方)の梅と糖類のみでつくった贅沢な梅酒です。梅本来の酸味と甘みが美味しいと、評判です。
【青梅の収穫】
梅の木は、収穫しやすいように、横へと這わせます。
梅雨の晴れ間に、爽快感のあるグリーン。六月の風を感じます。
実に傷がつかないように、一つ一つ手作業で収穫します。
収穫時期は、5月下旬から、6月下旬まで。「休みの日に息子が帰ってきて、手伝いました」。
手首を“くるっ”と回せば、へたが取れます。それが、コツですね。
「うまそうでしょ!」高千穂酒造の梅酒は、これぐらい熟れていた方がいいですよ。
坂本一馬さん(66歳) 坂本ケイ子さん(61歳)
梅の栽培を始めて、30年近くが経ちました。今年は、全国的には不作といわれていますが、ここはなぜか大豊作。花の散ったあとに、雪が2、3cm積もったから、今年は駄目じゃろな~と、思っちょったけど、昨年の倍、3,000~4,000kg収穫することができました。
二月上旬から、三月下旬の受粉期にニホンミツバチが働きます。そんな寒い時期に飛び回ってくれるのは、この蜂だけ。これが、一番の豊作の道です。
収穫された梅実。
かるいにも、いっぱいです。
各家庭で、選別作業をします。傷や痛んでいるものを除き、へたが残っているものはへたを取り、大、中、小のサイズで選別します。
選別作業に勤しむお母さんたちと、高千穂酒造㈱飯干工場長(写真、右)。
山口雅司さん(60歳)さん (写真、左)
見立梅部会は、下組、仲組、上組の11戸の農家で構成されています。梅の収穫は、5月下旬から、6月下旬まで。梅の品種は、鶯宿、玉英、南高、白河賀、古城などです。栽培地が、標高差2百メートルほど違うところもありますから、当然、品種や収穫時期が変わってきます。
見立の梅は、実が引締まっていて、甘味があります。昼と夜の寒暖の差があり、山と山の間に、見立川の霧が立ち込める環境が、生育に良いのでしょう。ちなみに、ここで収穫された椎茸も、農林水産大臣賞をとっています。
青梅は、農協や、生協に出荷しています。梅干も800kgつけて、企業を通して販売しています。これもなかなか、評判が良いですよ。
収穫された梅実は、10kgずつ、袋に入れます。
高千穂地区農業協同組合の職員が、集めて周ります。
見晴らしもよく、天気も良いので、気持ちが良いです。
農協の軽トラが連なり、賑やかです。
【梅酒づくり】
高千穂酒造株式会社。左奥に見えるのが、工場です。
前日に収穫された青梅が、農協より配送されます。
みずみずしく、美味しそう。
甘い香り、そのままとって食べたい。熟れた実を混ぜることで、梅酒の香りが際立ちます。
梅実の洗浄作業。流水で丁寧に洗浄します。ほとんどないそうですが、傷んでいるやつがあれば除き、へたも取ります。
洗浄は2工程。さらに、丹念に洗っていきます。
梅実浸漬タンク。一日3トン。合計で、15トンの梅実を漬けます。
タンクの上部から、梅実をいれます。
麦焼酎「わかむぎ」の原酒に浸ります。梅の甘い香りと焼酎の香りで、気分が良くなります。
最後に、氷砂糖をいれて作業は完了。実と実の間を、氷砂糖が溶けていきます。
出来上がりは、今年の10月頃。従業員の皆さん、美味しい笑顔、ありがとうございます!
高千穂酒造株式会社 ホームページ
http://www.takachihosyuzo.co.jp/
【おまけ・青梅とお酢のサワードリンク】
梅実をおすそ分けしていただきましたので、お酢でつくるサワードリンクをつくりました。(ミツカン酢についていた、作り方を参考にします)
(材料 約16杯分)
梅実 200グラム
氷砂糖 400グラム
食酢 400グラム
(作り方)
① 密封できる広口ビンに、上記の材料をいれ、蓋をして、涼しい場所に置きます。
② 一日に一回、蓋をしたまま、軽く混ぜます。
③ 三週間程度、同じ作業を繰り返します。
④ そして完成。水または炭酸水で、約5倍に薄めていただきます。
梅パワーで、夏を乗り切ります!
(レポート 藤木哲朗)
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