- 2010-07-27 (Tue) 21:46
- 山の祭
山の祭 第2回【鞍岡祇園神社夏季例大祭】
今回ご紹介するのは、7月15日に五ヶ瀬町鞍岡地区で行われました、『鞍岡祇園神社夏季例大祭』です。
九州島発祥の地・祇園山(1307.1m)の麓にある祇園神社の夏例祭は、厄病、疫病の厄難災難消除、五穀豊穣を祈願します。悪魔退散祈願として、素盞鳴大神がヤマタノオロチを退治する森巻神事など、とても珍しい行事が伝えられています。
今年は、害虫駆除を祈願する古代からの農耕儀礼『虫追い』も復活し、地元民だけではなく、アメリカから来日した学生も多数参加し、大変な賑わいでした。
『虫追い』の御神輿。
祇園神社
御祭神
素盞鳴大神 大己貴大神 伊弉冉大神
奇稲田姫神 五ッ瀬ノ神 蘇民将来 巨旦将来
天満天神 足名椎神 手名椎神 稲荷大明神
第二十九代欽明天皇の十六年頃、知保郷に厄病流行し疫病及び厄難消除の祈願守護神として創始祇園社と称し、第五十五代文徳天皇の天安元年曽男神(素盞鳴大神)並びに冠八面大明神(闇龗神)に正五位下の神階奉授の古い神社であります。(文徳実録第九より)
第五十六代清和天皇の貞観十一年山城国(京都)八坂神社より素盞鳴大神を勧請、その他の諸神を合祀し八坂神社と改称。昭和十年祇園神社と改称現在に至っております。(祇園神社案内より)
森巻神事の由来
矢惣園組の森巻の神事悪魔退散祈願として、古事の大蛇退治の八岐の大蛇をまかや(ちがや)で作り、神殿より右の立木に巻く大蛇は八尋、左の木に巻く大蛇は七尋と定められ木に巻きつけられ頭は、新しく芽生えた真竹の若竹を割って作った橋の上にのせ、一夜造りの甘酒を備える(スサノオミコト大蛇退治)橋も桁に並べる板の数も陰暦平年は十二枚、うるう年は月数の十三枚をまかやで結いつけるを慣わしとする。(祇園神社案内より)
(※矢惣園組は、祇園神社のそばを流れる五ヶ瀬川の対岸にある地域の組名です)
【鞍岡祇園神社夏季例大祭・スナップ集】
矢惣園組の氏子がまかやを編み、竹を組み、ヤマタノオロチを設えます。
神楽殿では、まかやで円を描き奉納相撲が行われます。
森巻神事。佐貫宮司が祝詞を上げたのち、ヤマタノオロチに甘酒をたらふく飲ませます。疫病厄病悪魔退散間違いなしです。
社殿にて神事が行われます。
地元の鞍岡小学校の六年生による「浦安の舞」奉納。
神楽殿にて、祇園神楽奉納。
テンポが速く、どこか雅な感じがします。
御幸行列を前に、鞍岡中学校の生徒による、棒術と薙刀の披露がありました。
【御神幸行列】
「こどもの神輿だ!わっしょい!わっしょい!」
鼓笛隊も続きます。
沿道で行列を見ていたおじいさんが教えてくれました。「虫追いは、私が子どもの頃に、父親たちが神輿をかついで集落内を飛び回りましたわ。一日かけてやってましたね~。」
この儀式は、害虫駆除以外にも、日照りが続いたときの雨乞い祈願や、その逆のときにも出て回ったそうです。
異文化交流を目的としてアメリカから訪れた中高生たちも半被を着て参加。
商店街どおりを練り歩きます。
アメリカの学生たちも、「ワッショイ!ワッショイ!」
「海外の方も参加してくれて、世界とつながったようです。」佐貫宮司は、御神馬で。
街を練り歩き、祇園神社へ。鎮守の森に「わっしょい!」の掛け声と熱気があふれます。
妙見神水の御神水神輿。境内を周りフィナーレが近づきます。
やがて、神様たちは社へ帰っていきます。
【心影無雙太車流棒術『白刃の演武』】
気迫のこもった演武が続きます。子どもたちも真剣に見ています。鞍岡には、秘伝の書があり、今も大切に保管されているそうです。
おばあちゃんも、見事な棒術の披露に拍手を送ります。
子どもたちの神楽奉納。立派に舞いました。
(写真左、松本さん。右、江藤さん】
鞍岡地域づくり協議会『祇園祭盛り上げ隊』
実行委員長 江藤実さん(35歳)
天候が心配でしたが、みんなの頑張りに天も応えてくれたと思います。僕たちが子どもの頃の祭は、人出も多く、屋台も並び、とても賑やかなものでした。けれども、過疎化が進み人手が減り、祭りの規模も年々縮小していきました。
そこで、鞍岡地区で暮らす40歳以下の男子に声をかけ、みんなで祭を盛り上げようと話し合ってきました。みんなで5000円ずつ出資して、屋台を開きました。今年は、虫追いの行事も復活しましたし、外国からも大勢参加してくれて、とても盛り上がったと思います。
「昔の賑やかだった祭に、近づいたぞ」と、地元のおじいさんに声をかけられたのが嬉しかったです。みんな、良い顔をしていると思います。
副実行委員長 松本淳一郎さん(32歳)
若い力が集結して、祭を盛り上げられたのが嬉しかったです。子どもたちも楽しそうでしたし、祇園神社の神様も喜んでくれたと思います。
これを機会に祭以外でも、みんなで力を合わせて町を盛り上げていけたらよいと思います。
子どもから大人まで、みんなの楽しい声が続いていました。
(レポート・藤木哲朗)
今回ご紹介するのは、7月15日に五ヶ瀬町鞍岡地区で行われました、『鞍岡祇園神社夏季例大祭』です。
九州島発祥の地・祇園山(1307.1m)の麓にある祇園神社の夏例祭は、厄病、疫病の厄難災難消除、五穀豊穣を祈願します。悪魔退散祈願として、素盞鳴大神がヤマタノオロチを退治する森巻神事など、とても珍しい行事が伝えられています。
今年は、害虫駆除を祈願する古代からの農耕儀礼『虫追い』も復活し、地元民だけではなく、アメリカから来日した学生も多数参加し、大変な賑わいでした。
『虫追い』の御神輿。
祇園神社
御祭神
素盞鳴大神 大己貴大神 伊弉冉大神
奇稲田姫神 五ッ瀬ノ神 蘇民将来 巨旦将来
天満天神 足名椎神 手名椎神 稲荷大明神
第二十九代欽明天皇の十六年頃、知保郷に厄病流行し疫病及び厄難消除の祈願守護神として創始祇園社と称し、第五十五代文徳天皇の天安元年曽男神(素盞鳴大神)並びに冠八面大明神(闇龗神)に正五位下の神階奉授の古い神社であります。(文徳実録第九より)
第五十六代清和天皇の貞観十一年山城国(京都)八坂神社より素盞鳴大神を勧請、その他の諸神を合祀し八坂神社と改称。昭和十年祇園神社と改称現在に至っております。(祇園神社案内より)
森巻神事の由来
矢惣園組の森巻の神事悪魔退散祈願として、古事の大蛇退治の八岐の大蛇をまかや(ちがや)で作り、神殿より右の立木に巻く大蛇は八尋、左の木に巻く大蛇は七尋と定められ木に巻きつけられ頭は、新しく芽生えた真竹の若竹を割って作った橋の上にのせ、一夜造りの甘酒を備える(スサノオミコト大蛇退治)橋も桁に並べる板の数も陰暦平年は十二枚、うるう年は月数の十三枚をまかやで結いつけるを慣わしとする。(祇園神社案内より)
(※矢惣園組は、祇園神社のそばを流れる五ヶ瀬川の対岸にある地域の組名です)
【鞍岡祇園神社夏季例大祭・スナップ集】
矢惣園組の氏子がまかやを編み、竹を組み、ヤマタノオロチを設えます。
神楽殿では、まかやで円を描き奉納相撲が行われます。
森巻神事。佐貫宮司が祝詞を上げたのち、ヤマタノオロチに甘酒をたらふく飲ませます。疫病厄病悪魔退散間違いなしです。
社殿にて神事が行われます。
地元の鞍岡小学校の六年生による「浦安の舞」奉納。
神楽殿にて、祇園神楽奉納。
テンポが速く、どこか雅な感じがします。
御幸行列を前に、鞍岡中学校の生徒による、棒術と薙刀の披露がありました。
【御神幸行列】
「こどもの神輿だ!わっしょい!わっしょい!」
鼓笛隊も続きます。
沿道で行列を見ていたおじいさんが教えてくれました。「虫追いは、私が子どもの頃に、父親たちが神輿をかついで集落内を飛び回りましたわ。一日かけてやってましたね~。」
この儀式は、害虫駆除以外にも、日照りが続いたときの雨乞い祈願や、その逆のときにも出て回ったそうです。
異文化交流を目的としてアメリカから訪れた中高生たちも半被を着て参加。
商店街どおりを練り歩きます。
アメリカの学生たちも、「ワッショイ!ワッショイ!」
「海外の方も参加してくれて、世界とつながったようです。」佐貫宮司は、御神馬で。
街を練り歩き、祇園神社へ。鎮守の森に「わっしょい!」の掛け声と熱気があふれます。
妙見神水の御神水神輿。境内を周りフィナーレが近づきます。
やがて、神様たちは社へ帰っていきます。
【心影無雙太車流棒術『白刃の演武』】
気迫のこもった演武が続きます。子どもたちも真剣に見ています。鞍岡には、秘伝の書があり、今も大切に保管されているそうです。
おばあちゃんも、見事な棒術の披露に拍手を送ります。
子どもたちの神楽奉納。立派に舞いました。
(写真左、松本さん。右、江藤さん】
鞍岡地域づくり協議会『祇園祭盛り上げ隊』
実行委員長 江藤実さん(35歳)
天候が心配でしたが、みんなの頑張りに天も応えてくれたと思います。僕たちが子どもの頃の祭は、人出も多く、屋台も並び、とても賑やかなものでした。けれども、過疎化が進み人手が減り、祭りの規模も年々縮小していきました。
そこで、鞍岡地区で暮らす40歳以下の男子に声をかけ、みんなで祭を盛り上げようと話し合ってきました。みんなで5000円ずつ出資して、屋台を開きました。今年は、虫追いの行事も復活しましたし、外国からも大勢参加してくれて、とても盛り上がったと思います。
「昔の賑やかだった祭に、近づいたぞ」と、地元のおじいさんに声をかけられたのが嬉しかったです。みんな、良い顔をしていると思います。
副実行委員長 松本淳一郎さん(32歳)
若い力が集結して、祭を盛り上げられたのが嬉しかったです。子どもたちも楽しそうでしたし、祇園神社の神様も喜んでくれたと思います。
これを機会に祭以外でも、みんなで力を合わせて町を盛り上げていけたらよいと思います。
子どもから大人まで、みんなの楽しい声が続いていました。
(レポート・藤木哲朗)
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