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山の恵み 第5回【薪ストーブ】

山の恵み 第5回【薪ストーブ】

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 今回は、薪ストーブについて、ご紹介します。   
 エアコンや石油ファンヒーター、こたつなど、寒い冬にはかかせない暖房器具が色々とありますが、その中で、自然の恵みを一番感じられるのが、薪ストーブだと思います。
 ゆらゆらと揺れる炎を見ながら、暖をとる。やわらかな温もりに身を包まれる喜びを薪ストーブユーザーの誰もが嬉しそうに口にします。

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 宮崎県北山間部は、日本最南端のスキー場、五ヶ瀬ハイランドスキー場に代表されるように、南国宮崎にありながら、冬の冷え込みが厳しい地域です。
 それと同時に、以前取材した五ヶ瀬町での【薪ストーブでエコビレッジ】の取り組みのように、森林資源に恵まれた地域でもあります。そういう背景もあり、年々薪ストーブを利用する家庭が増えているようです。

 実は、我が家にも三年前に購入した薪ストーブ(会社名スキャン、デンマーク)がありますので、それを例にとってご紹介したいと思います。
【薪ストーブの使い方】

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我が家の薪ストーブは、デンマーク製。スキャンという会社でつくられました。

 使い方は至って単純で、コツをつかめば誰でも簡単に扱えます。

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 燃料は、薪。小枝、割った薪、そのままの薪など、大きさは色々とあった方が良いです。今年は、焚き付け用の小枝をストックしていなかったので、喜六の事務所のある木佐貫製作所から木切れをいただいて、その代用としています。藁も少し使っています。

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 新聞紙を一番下にして、小枝、木切れなど、細かく燃えやすい物から順に重ねていきます。

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全体に火が回るように、マッチで新聞紙に火をつけます。

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空気孔の空気の量で、火量をコントロールします。

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焚き付けに成功したら、薪をさらに追加します。

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室内の煙突に設置した温度計を目安にします。

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摂氏150度を超えたら、薪の投入や空気量を調節し、熱量を安定させます。この炎のゆらゆらが、薪ストーブの良いところ。じんわりと、暖かいです。

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燃え尽きた灰は、灰皿に落とします。

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灰は、バケツ缶にいれ、畑に使います。染色に用いたりもします。

【薪について】

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薪は、樫や桜、クヌギなどの広葉樹が向いています。二年間ほど乾燥させます。

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友人知人に声をかけておくと、木を伐採したときに、電話をかけて来てくれます。伐採された木を、チェーンソーや斧をつかって、薪にします。それはそれで、楽しみの一つです。

【道具あれこれ】

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主に、薪ストーブで使う道具です。火ばさみは、もっと良いやつが欲しいところです。スプレーは、ガラス面をきれいにするために用います。

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薪をつくるためのチェーンソーと、斧です。使い方、手入れの仕方の勉強が必要です。

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灰を掃くためのほうき。必需品です。

【薪ストーブを導入した感想】

 五年ほど前に家を新築で建てたのですが、そのときには費用の面で折り合いがつかず、家族からの反対もあり、薪ストーブの設置を断念しました。私は若い頃、ニュージーランドを旅をして、冬は薪ストーブで過ごしたので、その良さを知っていたのですが、家族はそれを知りませんでしたので、説得することが出来ませんでした。
 けれども諦めず、薪作りを先に始め、家を薪で取り囲みました。外堀を埋めるという作戦です。そして、三年前に念願の薪ストーブ導入がかなったわけですが、その快適な温もりに家族からの不満の声はあがりませんでした。今では、冬の楽しみの一つとなっています。
 
 薪ストーブは、家族が集まる居間に設置するのが一般的ですが、我が家の薪ストーブは、玄関にあります。そちらの方が煙突の設置が容易だったため玄関になったわけですが、灰などの掃除などを考えると、それはそれで快適です。
 タイプによっては、料理に使える物などもあります。価格は、安い物から高い物まであります。環境基準の厳しいヨーロッパ製は、煙を燃やしてしまう機能があるものが多いです。最初の焚き付けのときに、煙が出るくらいであとはほとんど出ません。
 購入を考える方には、小さなサイズよりも大きなサイズのものをお勧めします。それは、大は小を兼ねますが、小は大を兼ねないからです。大きなサイズにする利点は、熱量もさることながら、薪のサイズも大きくてすむので、その分手間がかかりません。薪づくりも一苦労ありますし、小さな薪だとその分、燃え尽きるのも早いです。

 薪ストーブを導入したことで、山や木に意識がいくようになりました。そういう目で見ると、宮崎は資源が豊富です。昔は、竃(かまど)やお風呂など薪を利用する機会も多かったのですが、今ははガスや電気が主流になっているため、山村でも伐採した木の用途がなくなってしまいました。なので、みなさん伐採した木を喜んで提供して下さいます。
 火の温もりはとてもありがたいです。山の恵みに感謝しながら、物思いに耽るのも薪ストーブの醍醐味と言えるでしょう。


参考

山の活動 第1回【薪ストーブでエコビレッジ】
http://www.kiroku-miyazaki.jp/contents/katsudou.php?itemid=44&catid=24

(レポート 藤木哲朗)
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